笑っていること

 私がレイたちは友達というには少し違うんじゃないかな。と思っている理由。
 友達って、対等なものだと思うからだ。持ちつ持たれつ、ギブアンドテイク。これが正しい友達の在りようだと思う。ソルトもだいたいそういう認識だ。
 と思うからにはやっぱり、私はにーさんらに引け目を感じているのだろう。だってなんだか、私はしてもらってばっかりだ。気持ちをもらってばっかりだ。
「なにか私にできることってないかなあ……」
 私がどことなく沈んでいるのを感じたのか、それを聞いてリキはぽんぽんと私の頭を撫でた。
「どうかしたのか」とこれはシュラだ。
「なんか私って役に立ってないなあと思って。だってみんなはいつも私のこと助けてくれるのに」
「李には役目があるだろう。おれたちを幸せにするという」
 そう言って、レイはふふと笑った。
「ええ、そんなだいそれた……!」
 私は驚いて思わず息を詰まらす。なんてことを言うんだこのにーさんは。
「簡単だ」
「笑っていればいい」
「幸せそうに笑っていれば、それだけで」
 そう言ってにーさんらは、柔らかな笑顔でまた私を満たすのだ。


あとがき
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2008 03 26